再始 ーはじまりー

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私が生まれて初めて片想いをして、今もしている相手。 私よりも4つしか年が違わないのにしっかり大人の考えが出来て、そして何より私達をしっかり見てくれて評価してくれる。 何よりもこの笑顔には敵わない。 私がこの辛く長い片思いを始めたのが今から2年前の総体大会のこと。 当時1年生だった私は、予選通過すれば良いレベルとされている。 のだが、1年生ながら私は紀南地方で2位に入賞したのだ。 その当時も由衣先輩には好意は抱いていたが、それは憧れという意味の方で。 でも、その大会と表彰式が終わりみんなのところへ戻ると、1番に「彩衣っ!よーやった!」と、その瞬間今まではきっと皆に(部活の)使っていた素敵な笑顔を私だけに向けてくれたような気がして、柄にもなくきゅんとしてしまい、「はい。」と愛想の無い返事しか出来なかった。 のに、とことこと私の目の前までやってきて「なんだよー!もっと喜べよっ!」と頭をわしゃわしゃする。 私は恥ずかしさからその手を払う。 すると少し腰を落として私の同じ目線にきて、彼はこう言った。 「彩衣っ…本間におめでとう!」 今度は自惚れではなく、私だけに彼は微笑んでくれた。 この日から私は彼に恋している。
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