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春らしい暖かな風が僕の髪の毛を靡(なび)かせる。
校庭の桜は入学式を終えたばかりだと言うのにもうほぼほぼ散っている。
(あぁ、懐かしいなぁ)
4年前には自分もこの校庭を走り回っていたことを思い出しながら目的の場所を目指す。
あと数メートルで目的の道場に着くというところで後ろから声がする。
「あっ!由衣先輩っ!」
振り向く前に誰だか解る。
この太陽のような元気な声は…
「おう!久しぶりやな!彩衣!」
僕は振り返りながら彩衣に返事を返す。
「めちゃめちゃ久しぶりですよ!これからはちゃんと毎日来てくださいよ?」
顔をくしゃと崩して屈託の無い笑顔を見せる彩衣は17才らしくて、少し羨ましくなった。
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