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 その占い師とは、養父母と、その里帰り先にいる青い女性が元から知り合いだと言う。青い女性は奇しくもいくつか、占い師と同じ台詞を少年に言ったことがあった。 「君は……妖精なのかな? 本当に」 「……?」  義理の祖母たる青い女性は、拾われたばかりで自らの記憶もない少年には、妙に甘いところがあった。何処にいても異端者とばかりに所在なさげな少年に、確かに少年は家族に加わって良い者だと、何故か保証してくれた。 「ラピスちゃんの時にも、驚いたけどね……あのコがまさか、君みたいなのを拾ってくるなんてね」  茜色の髪の少女には日頃から厳しく、恐れられている青い女性。しかし降ってわいた義理の孫の少年や、少年を拾った養母――末の娘には甘いらしい。末娘が引き取った瑠璃色の髪の養女も、そのためか明らかに可愛がられている。  けれども青い女性は、瑠璃色の髪の孫を見る目ともまた違った遠い目をする。物悲しげに少年を見て、珍しく笑っていた。 「……誰かさんに、本当そっくり」 ――ところでお主は……その姿形は、偶然ではあるまいよ。  少年のある事実を指摘するような台詞は、青い女性だけでなく、占い師からも初対面で言われていた少年だった。 「それにしてもなぁ……おとーさんにそっくりなユーオンだけじゃなくて……水華にそっくりな吸血姫さんまで現れるなんて、世も末だよね?」 「末って何よ、末って」 「だって、実の親子でもないのに、そんなに似たヒトばっかり普通いるの? 私の周り、そっくりさん存在率高過ぎるよー」  少女にそっくりな吸血姫が現れたと、作戦会議の時に聞いた瑠璃色の髪の妹分は、つくづく感心したように言ったものだった。 「梅おばあちゃんは、ユーオンはおとーさんの本当の子供って言うくらい、とにかくそっくりだもんねぇ」 「違うって。有り得ないって、似てないって」  何故か少年は、瀕死の少年を見つけて保護した養父と、種族は全く違うが顔立ちが生き写しだ。それでいつも、隠し子扱いを妹分にはされていた。 「ユーオン。無理しないで、おとーさんに自分を認知しろって迫っていいんだよ?」 「だから違うって……」 「アハハ。いつもムキになるのが尚更怪しいよー、ユーオン」  更には占い師がダメ押しの肯定を加えたため、妹分にすっかりからかわれる少年だった。
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