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 そうした話を、前を行く養父達がしている一方で。  少年はまず、先程の敵が来た時に少女達の側で何があったか、妹分から真っ先に訊き出していた。 「うん、大変だったよ。何かね、水華の魔法が効かない人形の天使さんと、小さいのに凄くアヤシイ感じの子供が一緒にいて……本当に私も、驚いちゃったんだけど……」  妹分は困ったように笑いながら、その来襲者の事を口にする。 「おかしいよね。まさか、夢で見ただけのようなヒトに実際に襲われるなんて、思ってもみなかったよ?」 「……ラピス……」  金色の髪の少年はよく知らないこと。有り得なかった世界で出会った人形の出現に、妹分は大きな衝撃を受けたようだった。 「でもおかげで――危ないヒトだって、すぐにわかったから。凄いね、まるで予知夢だよね、私」  あははと笑う妹分は、何故か魔法が効かずに苦戦する少女の傍らにいた。遠出する時は持つようにと養父母から渡されていた小さな銃を取り出し、それで少女を援護しようと試みたところ、何故か魔法以上の効果がそこであったことを語った。 「魔法も効かないし、斬っても叩いてもダメだったんだけど。何でか銃は通じるみたいで、水華より私の方が活躍したんだよー」 「…………」  今も養父の腕の中で茜色の髪の少女は眠っている。その赤い天使は少女と最も相性が悪い相手だと、よくわからないままそれだけ少年は把握する。 「何か水華、戦ってる間中、ずーっと苦しそうな顔してて……人形さん達がいなくなった後、もう限界。って言って、すーすー眠り出しちゃって。よっぽどホントに、寝不足だったのかな?」 「……それもなくはないだろうけど」  金色の髪の少年にはあくまで、その人形が妹分の敵であること。そして人形使いがその人形のために、何故か少年を求めている……理由はわからないが事実だけがわかった状態だった。 「でもユーオン、よく無事だったよね? 水華だってあんなに苦戦してたのにね?」 「……ツグミのおかげだと思う。お札を何枚か使った気がする」 「そっか、鶫ちゃんかぁ。それにやっぱり、『銀色』さんまで頑張ってくれたんだ。今度会ったら両方、お礼言わなきゃ♪」 「…………」
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