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私田宮朱里は、甘い香りに誘われてふらふら歩いてた。
いい匂い…なんだろう?
匂いがする方に行ってみるとそこは、パン屋さんだった。
こんな所にパン屋なんってあったんだ。
ずっとこの街で暮らしてるのに初めて知った。
ガラス越しに覗くと美味しそうなパンが並んでいた。
カランコロン
うわ―お店の中可愛いし…
「いらっしゃいませ」
店の奥から男の人が出てきた。
その男の人は、私の顔をじーっと見たまんま固まっていた。
なんだろう?
「あの…何か?」
「え…あ…なんでもありません」
私は、首を傾げながらパンを見ていた。
せっかく来たんだし…
あ…メロンパンだ。私メロンパン好きなんだよね。
「メロンパン好きなんですか?」
え…突然言われてびっくりした。
なんで分かるんだろう?
「嬉しそうな顔してたから」
そんなに顔に出てたかな?
気を付けないと…
私は、メロンパンと他のパンも何個か手に取って会計をした。
パンを受け取ると店を出た。
今日は、幸せな日だ。
素敵なお店を見つけられて…
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