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いったん壁を閉めててもらい、慌てて身支度をし外へ出ると、外はすっかり暗くなっていた。
しかも場所が絆愛高等学校の門の前だったから、三斉流先生の顔色が悪い。
「元気出してください。Qさんがドン臭いことには皆慣れててますよ。ねえ♪」
包に同意を求められた影の部隊も返答に困るのか、遠い目で山の向こうを見ている。
Qさんの怒りは大地の怒り、迂闊に怒りを買えば3秒もたないと言われている。
「せっかくの初合体の邪魔をして本当にすまなかった。今度、客船を貸切りで……って、Qさん太っ腹ですね」
Qさんはガッツポーズをする。
「大丈夫ですよ。ちゃんと合体はできたんです……」
照れている包を見て、Qさんは嬉し涙を流しながら包の股間を叩く。
「時々、僕をタケに会いに行かせるから、可愛がってやれ…って。キャンピングカーも貸してくれると言っている」
驚いている三斉流先生にQさんは飛び付き肩にのった。
「おい、武男。茎男を捨てて泣かせてみろ、マッパでギンピーギンピーのプールに飛び込ませてから人間大砲の刑だ。体毛が焼けるだけで済むかな?」
「ギンピーギンピーって何?に…人間大砲!?え?言葉がわかっ…」
「覚悟しておけよ♪」
ピョンと三斉流先生の肩から降り、包の腕の中へと飛びこんだ。
包にはとんでもない小姑がもれなくついてくることに、今になって気づく一皮剥けた三斉流先生だった。
笑顔の包のむこうに、一番星が見える。
(これが私の人生か……それもよかろう…)
ここは絆愛高等学校。
結果さえよければ、それでいい。
嗚呼、絆愛…
絆愛高等学校!
ドンドコドン
~おわりんご~
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