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第1章
この世に彼以外に深くお互いの心や体を抱き締められる存在がいるだろうか。
私はふと幸久に抱き締められながら夜中に目覚めて夢現にそんなことを考えた。そして失うことを恐れた。
考えてみれば親だってもう他界して兄弟の行方も知らない私にとって幸久は私の全てであり、彼もまた同じように思っていて欲しいと思う存在だった。
独りになる恐ろしさを払拭するように幸久の胸に顔を押し当てた。瞼の中で銀河が弾けて二人だけがその宇宙に浮かんでいた
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