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上手く回らない頭で、透の言葉の意味を噛み砕こうとしても、都合良く解釈してしまいそうで。
彼は今、何を言っているの?
その問いだけが私の頭を回り続ける。
回らない思考は、何も答えを導き出さない。
「…ずっと好きだった」
いつも優しい透の笑顔が、何故だか切ない。
その表情に、キュンと胸が高鳴ったのは、私が弱っているからなのか、
透の計算なのか、
私には分からないまま、透の胸に収まっていた。
やっぱり私は狡い。
この胸の中を心地よく思っている。
でも、透の背には手を回さない。
心の中に彼が居るとか、そんな事じゃなく、
この優しい人を手放したく無かっただけなんだ。
ごめんね、透…
貴方の言葉を利用させて。
離したくない、
離れたくないのは、
本当はどちらなのか。
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