エピソード2

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ガタッ!! っと、 テーブルに足をぶつけながら、 私は立ちあがると彼女、 いやっ、 彼?を見た。 私が立てた音で、 お互いの目が合致する。 彼の表情は、 見る見る青ざめ、 さらに、 嫌なものでも見たかのように口をパクパクさせていた。 かわいいメイクが、 信じられないほど不細工に見える。 「あっ、 そのっ、 くっ、 栗田君??」 その瞬間、 彼は、 カフェから飛び出していた。 呼び鈴が、 激しく鳴り、 私の心を打ちつける。 何が何だか分からず、 私は、 その場に立ち止まっていることしかできなかった。 何が起きたのだろうか? 目の前のことが信じられずに一瞬にして過ぎ去ってしまった。
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