エピソード1

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この言葉を聞くたび、 私は、 ほっとする。 まぁ、 私と彼には、 接点が無いから意味ないけど。 あったとしても、 絶対、 告白だなんてできない。 告白してもきっと振られる。 それで、 クラスの噂になって、 彼に会いにくくなる。 そうなるくらいなら、 言わない方が良い。 見ている方が、 告白するよりもずっと彼を近くに感じられるから。 その日の授業が終わり、 美術部の私は、 美術室に向かう。 私は、 美術室に置かれた世界の絵画が載った画集が好き。 6人がけの木製の机に画集を置いて、 私は、 スペインの画家、 ベラスケスの作品、 「ラス・メニーナス」を見る。 作中にいる、 金髪の女の子。 マルガリータ王女を中心に中世の女官たちが彼女を取り巻いているところを描いた作品。 作品の中の大きな部屋には、 嬢人や犬、 大きなカンヴァスを前に画家本人が立っているのが描かれている。
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