エピソード1

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私は、 彼の繊細なタッチとどこか、 人間とは違うものを感じさせるマリゲリータ王女の可愛さに魅せられてしまう。 私もこんなに可愛い女の子だったら。 そんなことを思いながら、 私は、 美術室に置かれた全身鏡を見た。 鏡の中に写る地味な女の子。 黒ぶちの眼鏡に肩まである髪は、 外側にピンピン跳ねている。 ネコ目な目に平たい唇。 自黒の肌は、 年中肌が焼けているよう。 私は、 自分のほほを触りながらため息をついた。 『かわいくなりたいな』 そう思いながら、 小さくてかわいいマルガリータ王女を見た。 ふわふわした金髪の髪。 紅をさしたかわいいほっぺ。 きれいな白い肌。 私がほしくても絶対手に入らないものばかり。
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