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私は、
彼の繊細なタッチとどこか、
人間とは違うものを感じさせるマリゲリータ王女の可愛さに魅せられてしまう。
私もこんなに可愛い女の子だったら。
そんなことを思いながら、
私は、
美術室に置かれた全身鏡を見た。
鏡の中に写る地味な女の子。
黒ぶちの眼鏡に肩まである髪は、
外側にピンピン跳ねている。
ネコ目な目に平たい唇。
自黒の肌は、
年中肌が焼けているよう。
私は、
自分のほほを触りながらため息をついた。
『かわいくなりたいな』
そう思いながら、
小さくてかわいいマルガリータ王女を見た。
ふわふわした金髪の髪。
紅をさしたかわいいほっぺ。
きれいな白い肌。
私がほしくても絶対手に入らないものばかり。
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