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「よーし、
全員集合したか?!」
と顧問の新山先生の野太い声が外から聞こえる。
時間は、
16時。
この時間になるとバスケ部は、
校舎の外を走るためいつも集まる。
美術室は、
1階のため、
バスケ部の動きが良く見えるし、
この窓際の席は、
ある意味ベストポジションだ。
20人近くいる部員の中に、
栗田君がいた。
クラスでは、
背丈など目立たない彼だけれど、
背の高い人が多いバスケ部の中だと少し小さく見える。
それに、
ワックスで少し立たせた髪と肩幅が広い彼の後姿はすぐにわかる。
『あっ、
いた』
後ろ姿だけれど、
見れることが私には、
幸せ。
『また、
バスケの試合見たいな』
そんなことを思いながら、
私は「よーい、
どん!」の声で走り出す彼の姿を見送った。
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