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アークスの非正規員として加入して間もない頃だ。ナベリウスでの試験任務を難なく達成した俺は、翌日から早速という程、色々な任務にひっきりなしに出動させられるようになった。
だが当時、ナベリウスに突如としてダーカーが出現したせいで、時期的に入ったばかりの新人アークスや中堅アークス達はこぞって惑星調査に回されていくという、なんとも忙しない状況の真っ只中という感じにもなっていた。
それこそちょいと大げさ過ぎやしねぇかと言えるぐらいにな。今までダーカーの出現が確認されていないと言われていた平穏な惑星に、出現が観測されただけでだ。
まぁ過去にダーカーの出現が本当になかったかどうか、そもそもそこが怪しい所なんだが…まぁそれはどうでもいい。
そんな新しい雇用現場に入って俺はどんな任務に回されたかと言うと、主に正規アークスではあまり請け負わないようなものだ。
簡単に言えばちょっとした汚れ仕事や、ちょいとばかり命の保証が出来ないような任務だな。
アークスってのも結局は組織だ。表向きや大きな名目は惑星調査という事だが、それだけでこれ程大きな組織が成り立つわけがねぇ。
いくらこのオラクルにとって必要不可欠な組織とは言え、現オラクル政府の力のみじゃ到底追いつかねぇのは当然だろう。
巨大な組織を維持するには、莫大な資金源を持つスポンサーがいくつも必要になる。
だがそのスポンサー達も、当然ただでその資金源となってくれるかとなると、言わずもかな。
なら、そういったスポンサーからの有難ぁい援助を受けるにはどうすりゃあいいか、答えは至って単純明快。
そのスポンサーの要望に応えてやりゃいいだけだ。
レアメタル採掘区域の独占、未開拓地域の地質調査、要人警護、潜入捜査……そして、暗殺。
中々に物騒な事が浮き彫りになるような内容ばかりだが、正義を掲げる大組織とは言え、綺麗事だけじゃあやっていけない。
その事実は、どの時代でも、どんな組織にでも、必ず付きまとってしまうもんだ。避けようがねぇ。
だからこそスポンサー先となるのは、決まって大企業や資産家、軍隊、はたまた警察機関にも及ぶ。
アークスも組織の維持のために、腐った権力の隅々にまで根を張り、その維持に努めているわけだ。夢見る若者達に、その煌びやかな夢を壊さないよう必死にイメージを保ちつつだ。
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