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傍から見れば、滑稽な事この上ないがな。
おまけと言って今の俺は囚人だってのに、やってる事は罪人の犯る事とまったく変わりねぇってのがなんとも皮肉だ。
しかもこれで見返りが刑期短縮とは…自分の中の常識がぶっ壊れそうになっちまいそうになるぜ。
まぁそうしてだ。俺はその滑稽な維持活動のために出動させられた場所というのが、ここリリーパ採掘施設だ。
目的はと言うと、とある大企業からの依頼でここのレアメタル採掘区域の地質データを採取してくれとの事で、ここに来たというわけだ。
ただの地質データ採取なら、一般アークスに任せてもなんら問題ないだろう。だが俺みたいなものが出るという事は、つまりそういう事だ。
厄介な事情がある上に、データを採取する場所が一般アークスにとっちゃ危険極まりない場所だということだ。
現にたしかに厄介な場所だった。
目的の採掘現場まで来たんだが、ここに来るまでの間に相当数の機甲種やダーカーと鉢合わせ、交戦し殲滅してようやくここまでたどり着くことが出来た。
アサルトライフルにハンドガン、時前のガンスラッシュに手製のグレネードと、割りと装備は充実させて来たつもりだったが、予想以上の数で一人で突破するには中々骨が折れた。
採掘施設内に侵入してからは比較的、敵の遭遇率は低くはなってはいったが、この時点で割りと消耗してしまっていた。
手持ちの弾薬はまだ残っているが、長居して更に接敵してしまうと面倒な事になってしまう。
そうなる前に、俺は目的の場所で早速地質データを採取するために行動を開始した。
辺りは鉄屑やら機甲種の残骸やら、スクラップの山で囲まれていて、いかにもお宝が眠っていそうな雰囲気があるんだが、少なくとも今の俺にとっちゃ何の興味もない。
物を欲しがっているのはあくまでクライアントなだけであるから、時間をかけて待たせないよう、さっさと専用の装置を取り出して、ここの区域データを調べてみる。
小型の円盤状の装置を取り出して、それを地面に設置して起動させる。
作動音と共に辺り一面に、一瞬だけエネルギーウェーブが走っていくと、瞬間目の前にビジフォンが出現し、ここの区域の詳細なデーターが浮かび上がってくる。
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