『スティールハート』

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ここで俺が何を調べたかというと、この依頼を達成するために一番の問題点である、他の企業にこの区域を独占されていないかどうかをチェックしたわけだ。 レアメタルの独占競争は尋常じゃねぇ速さで状況が変わっていく。発見されたばかりのレアメタル採掘区域が、翌日になったらもう他の企業によってすでに独占領域にされてしまっていたなんてことはよくあることだ。 当然、ここが他の企業に独占されていたとしたら、無断で調査、掘り起こすなんてことは出来やしねぇ、さすがにこればっかりは、力づくでどうこうなるもんじゃない。 そんな事をしでかしたら、そのクライアントは業界から確実に干される事になる。 レアメタルの独占ってのはそれだけ色々とシビアな問題が付きまとってしまうもんだからな。 まぁ今の俺には関係はねぇが、仕事内容はきっちりこなさなきゃならねぇ。こっちとしても、ちゃんとした報酬があるわけだしな。 ……よし、この区域はまだ独占状態にはなってないようだな。これでまずは一番の問題はなんとかなかった。 後は、ここにデータ採取用のマシンをセットして、完了するまで待つだけだ。 適当な所に目星をつけて、そこに座標指定用の小型ビーコンを設置する。設置が完了したところで装置を起動させると、一瞬閃光が走り、その場所に採掘用のマシンが転送されてきた。 順調だな、マシンの前まで行って、付属されている端末を操作し、早速データ採取を開始する。 一通りの操作を完了したところで、マシンがデータ採取のために作動し始めた。見た目は3脚型の採掘マシンで、取り付けられている大型の採掘用ドリルが回転し、ゴリゴリと少しばかりうるせぇ音を立てながら動いている。 特に大きなトラブルもなく動いてくれたのを確認したところで、適当な所に腰掛け、レッグポーチの中からシガーケースを取り出し、いつも吸っているタバコを一本取り出す。 口に咥え、レッグポーチから取り出したマッチで火を付け……ようとしたんだが、一瞬感じた不穏な気配に、一通りの物をまたポーチの中に戻し、直様腰掛けていたすぐ後ろにあったスクラップの山の中に身を潜めた。 俺が感じたこの気配、間違いなくダーカーのものだ。
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