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息を潜め、スクラップの山から様子を伺うように、すこ~しだけ顔出して周囲を確認してみると、予想通り、空間が不気味にねじ曲がった瞬間、そこから複数のダーカーが出現した。
エルアーダにプレディガータ、んでもって尖兵であるダガンが数匹か、やれやれ、装置の物音を感知してここにきたのか、嫌なタイミングで出てきやがって。折角の一服の一時を邪魔しやがって。
ダーカーの糞共が、データ採取用のマシンに近づいてくる。
俺の存在には気づいていないようだが、あのままマシンを破壊されると依頼が達成出来なくなる。
しょうがねぇ、殺るっきゃねぇな。
再度頭を引っ込め、手持ちの弾薬をチェックしつつ、攻撃の準備を整える。
手際よく、時間をかけず確実に始末するために、ここは手製のフラッシュバンを使うとしよう。
奴らの目が眩んだところを、すかさず追撃を加えて……
と考えた矢先のところだった。
『ヒャッハァァァ!!とっとと死ねぇぇぇぇ!!』
な、なんだ!?
いきなり周囲に響き渡る程の大音量の奇声と、耳をつんざく発砲音が連続で聞こえてきたぞ!?
一体なんだってんだ?様子を伺うために、スクラップの山から頭を出してみると、ダーカーの軍勢を相手に一人何者かが、両手にマシンガンを持って応戦していやがった。
そいつは濃いモスグリーンのトレンチコートを羽織っていて、頭には同じくモスグリーンのアーミーベレー帽、そして何より特徴的だったのが、顔全体を覆い尽くす程のガスマスクをつけているという点だった。
旧世代のアーミーファッションを取り込んでるつもりか?おまけといってやたらガタイも良さそうな感じで、身長は2m近く。怪しいことこのうえねぇ外見だ。
いつからこの付近にいやがったんだ?
他の企業の回し者か、それともレアメタルの採掘情報を聞き入れて、ひと稼ぎしようと企むハイエナ野郎か。
とりあえずここは傍観に徹するとするか、相手の素性が知れねぇ以上、下手に顔を出して巻き添え食らうなんてのは面倒だからな。
『オラオラどうしたどうしたぁぁ!?もっとかかってこいよぉぉぉ!!』
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