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それにしてもうるせぇ奴だ。デュアルスタイルのマシンガンで弾数なんざ気にせずバカスカ撃ちまくっているのもあるせいか、周囲はまさにガンファイアのヘヴィメタルマーチだ。
採掘施設内なのもあるせいか、銃声がギンギンに響き渡っている。耳がどうにかなりそうだ。
だが奴さんの腕前はかなりのものだという事は直ぐに分かった。
滅茶苦茶に四方八方撃ってるように見えるが、確実に敵の動きを止めるように攻撃し、相手の動きに怯みが生じた瞬間、的確にダーカー共のコアぶち抜いていってやがる。
おまけにあの奇声を発しながらの突撃だ。ダーカー共もちょいと面食らっちまったのか、反応に遅れが出ちまって、完全に先手を取られ、なす術なく撃破されていく。
この僅かの間にもうほとんどのダーカーが撃破されてしまったが、ここに来てようやく最後となったプレディガータが、反撃を試みようと空間を瞬時に移動し、あの野郎の目の前に現れる。
そしてご自慢の両腕の大鎌を展開し、奴さんに切りかかろうとしたんだが。
『おいおい…もうそのへんにしとけ、よぉぉぉ!!!』
マシンガンを両足のホルスターに戻し、今度は腰に引っさげていた二本のナイフを瞬時に引き抜き、それを逆手で構えると、切りかかってきたプレディガータの大鎌事両断しやがった。
ご自慢の両腕の鎌を切断されたことで、悲痛の鳴き声を上げながら後ずさる。
それを逃さず、奴さんが更なる追撃として、逆手に構えている両の手のナイフを、プレディガータの頭部に狙いをつけ、一気に振り下ろす。
僅かに跳躍して勢いよく振り下ろされた二本のナイフが、プレディガータの頭部を串刺しにし、そこからまるで噴水のように、大量の血しぶきをあげる。
すでに呻き声すら出さなくなったプレディガータは遠目からでも、すでに絶命しているのがはっきりと分かった。
かなり深々と突き刺さってしまったのか、中々引っこ抜けないナイフを骸となったプレディガータを蹴り飛ばし、無理やり引っこ抜く。
そして、最後に骸が塵のように消滅したところで、デュアルナイフを腰のホルスターへと戻した。
『ふぅ~…さてさてと、ふへへへへへへ』
辺りをキョロキョロと見渡した後、妙な笑い声を上げつつ採掘用のマシンに近づいてくる。破壊するつもりなのかと思ったが、どうも違うようだ。
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