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その奇抜な外見に似合わず、慣れた手つきでマシンの端末を操作しだした。
目的がまだ見えないな。
ともあれ、そろそろ奴さんに直接聞くことにしよう。今ここでマシンを勝手に弄られて、この付近に採掘領域独占用のフラグビーコンを設置されると厄介だ。
奴に気配を悟られないよう、慎重に身を隠しているスクラップの山を迂回していく。
向こうも相当な実力者のようだが、完全に気配を遮断出来るよう訓練を積んだ者の気配を察知する事までは出来ないようだな。
奴の背後取れる位置に来たところで、ゆっくりとスクラップの山から身を乗り出し、足音を立てずに近づいていく。
マシンの端末の操作に夢中になっているな。そのまま弄り続けていてくれよ。武器はまだ構えはしない。
確実な距離に近づくまでは、武器を出した転送音や引き抜いた音で気づかれるかもしれねぇからな。
そして、距離は奴の真後ろ。
腰に引っさげている、自前のガンスラッシュを引き抜き、一気に間合いを詰め、奴さんを背後から羽交い締めにするような特殊拘束術で拘束する。
『ちょ!?お!?ちょちょちょ!?』
抵抗されても力が入らないようがっしりとホールドして、自前のガンスラッシュのブレード部分を奴の首元にぴったりとくっつける。
完全に最後まで俺の気配に気づいていなかったのか、さっきのダーカー共の戦闘の時と違って、なんとも間抜けな声をあげる。
この時気がついたんだが、こいつ見た目はヒューマンのような外見しているが、中身はキャストだ。
拘束した時、異常な程までの強固な骨格の感触が伝わってきたからな。間違いねぇ。
屈強な体を盾に抵抗されると厄介だが、いくら屈強でも首を切断されちゃどうしようもねぇ。生身の人間と違って、切断するのにも多少骨が折れるだろうが、コツさえわきまえていれば、案外簡単に出来る。
『ちょいとばかり質問に答えてもらうぞ。何もんだ?』
奴の首元に密着させるように当てている自前のガンスラッシュに、より力を込める。
僅かに身じろいしただけでも皮膚が裂けちまう程にだ。まぁキャストとなればあまり効果はないだろうが、この状況だ。
下手な受け答えは出来ないというのは奴さんが一番よくわかっているはず。
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