はじまり。

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「…お前、ホモかよ」 「違うわ!!俺は見るの専門だっての! 俺はノンケだ、ホモでもバイでもありません!」 俺がホモ扱いしてくればすかさず違うと否定してきた。 つか、いちいち肩を揺さぶんじゃねぇよめんどくせぇ。 「わぁーったから、いちいち興奮すんなホモ」 「だーから、俺はノンケだって言ってんでしょーがァ!!」 それから約数分、ずっとこの絡み。 あー…理事長室行かねぇと、流石にやべぇんじゃねぇの。 「…全く、失礼しちゃうぜ。んで、お前の名前はァ?俺だけ言ってんじゃん」 ようやく落ち着いたのか、俺の肩から手を離してきては俺の名前を尋ねてきた。 確かに、コイツだけに言わせて… つか、コイツが勝手に言っただけだが。 「…竹中伽倶哉」 俺は月宮の姓は名乗らず、ずっと使っている竹中の姓を名乗った。 こっちの方が俺にとっちゃ当たり前で、月宮財閥の息子ってのも尺に合わねぇ。 「へー…珍しい名前だな、伽倶哉って。 んじゃ、俺は伽倶哉って呼ぶわ。俺は好き勝手に呼んでいいぜ?」 「んじゃホモ」 「ホモじゃねぇわ!!いい加減にしなさい!」 案の定ツッコまれた。 喧しい奴だけど、案外コイツとは気が合いそうな気はする。 ホモの恋愛どうやら以外においてはだが。 「つかよ、俺理事長室とやらに行かなきゃなんねぇんだけど」 「ま、まさかお前理事長の…甥っこ!?」 「いや違う、全くの赤の他人だ」 そう返したら残念そうな表情を浮かべられた。 多分さっき王道やら言ってたのに関係すんだろうな。 「とことん王道じゃないな、伽倶哉って。とりあえず、理事長室までは案内するよ。この学園広いし」 ため息混じりに告げられれば、俺は綾の後に続いて学園内へと足を進めていった。
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