鳳凰学園では当たり前。

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「ほーら着いたぞ。あーあ、マジだりぃんだけど」 理事長室から出て校舎を歩いて暫くしてようやく俺が入ることになった教室へと辿り着いた。 北条先生は着くなりボサボサ頭を掻きながら呟いている。 「…先に言っとく。多分お前の想像遥かに越える反応だからな、ここ」 「それ、どういう…」 北条先生の言葉に思わず尋ねようとしたが、見事に扉をガラッと開く音によって俺の声は掻き消された。 そして、すぐに北条先生が言っていた言葉を目の当たりにしてしまうのだ。 「北条先生ーッ!」 「今日もカッコいいです、先生ェー!!」 「抱いて先生ェ!!」 …この学園、男子校だよな。 何でそんな野郎共から女みてぇな声が出るんだよ。 つか、最後"抱いて"って言ったよな野郎相手に。 そんな状況に俺の脳内は若干パニック。 あまりに理解不能な為、頭がついてこないのが事実である。 「…あー、静かにしろって。 ほい、待ちに待ってた転校生だぞテメーら」 北条先生は慣れてるのか、騒いでいた生徒を宥めながら教室の入り口で固まっていた俺の襟首を掴むと教室の中へと連れ込んだ。 「転校生!?カッコいいー!!」 「ホント、超タイプなんだけど!」 「やべ、意外とイケるかも俺」 「抱きてぇー、抱かせろォ!」 俺を見るなり野郎共が一斉に口を開いては好き勝手に騒ぎだした。 抱かせろとか言った奴、出てこい。 真っ先にテメェの息子、潰してやるからな。 「ギャーギャー騒ぐんじゃねぇよ、喧しいわ。 竹中伽倶哉だ。お前らと違って外部からなんだから優しくしてやれよ。分かったァ?」 北条先生の言葉に続くように、はーいっとまた高い声で返事が返された。 一体どんな声帯してんだよテメェら。
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