鳳凰学園では当たり前。

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信太は元から人懐っこい性格なのか、俺に対しても笑顔を浮かべている。 周りのクラスメイトにも慕われてそうな感じといえる。 「信ちゃん、早速伽倶哉にオチたァ!?もしや爽やか×不良が成立したのかァ!」 「橘、何でそうなんの。よろしくしただけじゃない?」 綾の扱い方も見事に上手い。 あんな変態発言しかしてないアイツに対しても笑顔である。 「仕方ないでしょォ。頭の中が、腐れきってるんだしィ?いっそそのまま腐れて朽ち果てちゃえば良いのにねェ?」 それと正反対に木嶋は綾に対して躊躇なく毒を吐く。 しかも、笑顔で言うからなサラッと。 「ユウちゃんったらァ!頭の中が腐れてるのは当たり前だって!!」 綾の場合、自分でも脳内腐れてるって言ってるからな。 ホント、コイツは馬鹿だ。 そんな騒がしい自己紹介もつかの間、始業を告げるチャイムが校内に響き渡り各々と自分の席へと帰っていく。 木嶋と信太も自分の席へと帰ったところで教室の扉が開き、教師が入ってきた。 前の学校では授業はサボってはいたが、学力とかが底辺に近い学校だった為受けなくてもなんとかやって来れた。 だが、この学園でそれが通用するとも思えないし初日ということもあり俺は真面目に授業を受ける事にした。 「…ャ、伽倶哉、起きろって!昼休み、なってるぞ!」 頭上から俺を呼ぶ声が聞こえ、見上げてみれば綾と木嶋、信太が揃って俺の席を囲むように立っていた。 「竹中くん、キミよく寝てたよォ?あんまりにも気持ちよさげに寝てたから殴りたくなったけどォ」 「…俺、寝てたのか?」 「あァ、ぐっすりとな。授業に来た教師も目ェ、丸くしてたし」 木嶋と信太に言われ、ようやく自分が思いっきり爆睡していたのを自覚した。 初っぱなから爆睡するとか、マジやらかした俺。
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