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「結婚式……、行ってやれなくてすまない。
……母さんによろしくな?」
「うん……。
あっ、それから……――――――」
かつて家族で訪れた、北海道の片田舎に広がるコスモス畑。
その景色を再び見る事ができた感動と、濃淡のピンクの美しさに見惚れてすっかり忘れていた。
「はい、これ。」
手に提げた紙袋から取り出したのは、“家族”だった15年間ずっと優しく見守ってくれた事への感謝の気持ち。
紫、藍色、青、ピンク、黄色……、カラフルな花々を1つのブーケにして。
言葉にすると照れ臭いから言わないけど、きっとこの想いは伝わってくれるはず。
「フフッ……!!
今回はちゃんと、店で買ってきてくれたんだな。」
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