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久しぶりに会った彼は、とても疲れ、昔よりもやつれた顔をしていた。
「はい、撮るよ!」
スマートフォンを手に持ち、引き攣った笑顔の彼と写真を撮る。
背景には一面のコスモス畑。
この花は、私が生まれ育った街のシンボルだ。
「フフッ……、変な顔……!!」
撮影した写真を見て思わず吹き出した私。
あの日と同じ、おどけた表情。
昔はこうやっておどける彼の事が不満で、私に笑顔を齎そうとするこの言動の意味も知らなかった。
「だって、恥ずかしいんだよ。
真面目な顔は……。」
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