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そう弱音を吐きかけた瞬間、大きく温かい手が私の頭を撫でた。
幼子をあやし、まるで精一杯の愛情を注ぐかのように。
きっと彼の目には、まだ私が少女のまま映っているのかもしれない。
「大丈夫。
愛美ならどこに行ったってやっていけるさ。
お前は母さんに似て強い。
知らない土地に対する不安はあるだろうけど、お前が選んだ彼がしっかり支えてくれるよ。」
きっと私は、母に似て強い。
母は私たち姉妹をずっと1人で育ててくれた。
両親が離婚して10年、ようやく私が母の元を巣立つ事になったけど……――――――
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