第1章

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「榎本くん、おはよっ!」 「おはよう」 そう言ってにっこり微笑んでみれば、目の前の顔がすぐに赤く染まった。 バサバサの睫毛に、ごてごての口紅、あと、きつい香水。 うーん、可愛くない。 「え、榎本くん、今日もいい天気だね!」 「うん、そうだね」 またにたような子が一人。 名前なんだっけ? 「榎本くん」と、1日になんど呼ばれるだろう。 うんざりはしてるんだけど、どうにもならない。 それにもう昔からだからなれちゃった。
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