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「料理は竜兄が担当なんです。私は洗濯と部屋の掃除。
巧とちーとまーがお風呂洗いとその他雑用」
春果がなぜか得意気にそう入江に説明する。
「偉いな。ちゃんと兄弟で家事を分担してるのか」
「母が一人で俺らを育ててくれてるからね」
巧が言った言葉に、入江は少し驚いたように目を見開いたあと、微妙に気まずいというかのように眉を下げた。
「別に気まずく思わなくていーぞ。
俺らは俺らなりに楽しくやってっし。
なによりおかんが自ら選択したことだからな。」
離婚したんだよ。
そうあっけらかんといってやれば、「そうか」と言って、入江はオムライスのつづきを食べ始める。
「りゅーにぃ、ケチャップ~」
「は?もう十分かかってんだろーが」
「ケーチャーップーー!!」
「ああ、もうっ」
突然ケチャップを要求し始める信。
駄々をこねると長いことはわかってるから、仕方なく冷蔵庫にケチャップを取りに行く。
「おらっ」
少し乱暴にそれを渡すが、信は気にした様子もなく嬉々としてふたを開けた。
そして、
「そーにぃちゃん!オムライスかっこよくしたげるねっ!」
そういいながら、入江のオムライスへケチャップを掲げたかと思うと、
ぶちゅうううううう。
普通、オムライスにかけるであろうケチャップの5倍ぐらいの量が、入江のオムライスに注いだ。
居間は一瞬静寂に包まれた。
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