第4章

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「竜平?」 怪訝そうな入江の声。 「あ…っ」 急に顔が熱くなる。 「わりっ!」 バタンッ! 謝るのとドアを閉めるのはほぼ同時。 いたたまれなくなった俺はその場にもいたくなくて、狭い家のなかを走る。 「巧っ!」 「へっ?なに?」 二人部屋のドアを勢いよく開け、そう話しかけたから、巧が驚きを返してくる。 そんな巧の表情を見るのは久しぶりだ、なんて思っていたけれどそれよりも体が動く。 ずかずかと部屋の中へ入り、鞄から財布と携帯を取り出す。 「俺、ちょっと出てくるから。 入江にドライヤーの場所教えてやって。あと客用の布団も出して敷いとけ。 んで、もう先に寝てていーから」 一気にそれだけ言うと、「え、どこいくの?」なんて聞いてくる巧の声は無視して部屋をでた。 早歩きで玄関まで進み、靴を履いて外へ出る。 外は当たり前だけど夜。該当と家や店から漏れる光は明るく、夜の空の闇を少し薄めていた。 「あー…どうすっかなー」 脳裏には何度も何度も先程の場面が繰り返しよみがえる。 青のタオル生地に、まぶしいほど白い裸体が包まれていた。 上気肌はいつもよりも現実味を帯びて俺の目に飛び込んできた。 どうしようもなく惹かれた。 その肌に食らい付きたいと、反射的に思った。 「やばい、よな。ホント」 何をするか、わからない自分に怖くなった。
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