第4章

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(榎本 隆文視点) 今日、何度目かわからない。 でも、何度でも思い出してしまう。 思い出すたびに焦燥は濃くなって、 早く早く、空を自分のものにしなければとその思いだけが俺を急かす。 焦れば、焦るだけ。 自分がこの戦いに負けてしまうのではないかと、そんなマイナスのイメージが頭のなかを渦巻いて、 いてもたっても居られなくなる。 「お母さん。ちょっと、コンビニへ行ってくるよ」 「あら、珍しいわね。 あ、お母さんにプリン買ってきてちょうだい?あのコンビニ限定のミルクたっぷりのやつ」 お母さんが言っているそのプリンは、俺がいこうとしている近所のコンビニでは売っていないもので、 それを買うには少し歩いたところにあるコンビニへ行かなければならない。 (まあ、コンビニが本来の目的ではないし) 「いいよ。分かった」 いってきます。そう声をかけてリビングを出た。
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