第1章

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始業のチャイムがなった。 「はぁ、またこんなことで時間を潰してしまった。 岸本 竜平、明日こそいった通りにしてくるんだぞ」 (こんなことっ?!) ムっっっっっっカつくぅぅぅぅぅう! 「"こんなことで"っていうくらいなら俺に構うなっ!俺も"こんなこと"で時間をとられずに朝の有意義な時間を穏やかに過ごしてーよっ!!」 「うるさい。声の音量をさげろ」 あまりのイラつきに、声もなく震えてしまう。 「今日も入江の勝ちかぁー」 そんなのんきな声と共に教室に入ってきたのは担任の塚地(ツカジ)。 ボサボサ頭に無精髭。 一応理科の先生らしく白衣は着ているが、いたるところによく分からないシミが着いてる。 こいつのダサさにはさすがの入江もかてねぇ。 (つーか、今日"も"俺は負けてねぇ!!) そう言ったところで、適当に流されるだろうから言わないけど。
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