第1章

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一限目は数学。 数学に興味はねぇし、朝のイライラがまだくすぶっていたから、二列隣のダサ眼鏡を睨んでいた。 (ちっ、相変わらず無表情で不気味なやろうだぜ。 よくそんなに集中して授業受けれんな、意味がわからん) 先ほどから、ダサ眼鏡の視線は黒板と自分のノートを往復するだけ。 手は常に動いていて、もしかしなくても黒板に書かれていないことまで書いているっぽい。 何が楽しくてそんなことすんの? 見た感じ、淡々と授業を受けているだけ。でも、ひたすらそうしてるってことは楽しいってことだよな? (楽しそう、か?) やっぱりダサ眼鏡のことなんかこれっぽっちも理解できない。理解しようとも思わねー。 あいつはダサ眼鏡というなの壊れたロボットか、もしくは宇宙人だ。 (つーかっ!俺がこんなに睨んでんのに、何も反応が返ってこないってどーいうことだよ!) スカしやがって。本当にムカつく。
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