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「俺が恐いか?」
彼はポツリと言った。
「黒羽くん……だよね?」
「他の誰かに見えるか?」
そう言って、黒羽くんは私の手から黒いドラゴンの仮面を取って被った。
「さっきの炎のマジックは何?
私の血を飲んだよね?
黒羽くんって何者なの?
吸血鬼?」
私は思った事をとにかく口に出した。
「誰にも言わないと約束出来るか?」
仮面の向こうから声が聞こえる。
「誰にも言わない。
だって、私は黒羽くんの事……」
「俺は吸血鬼なんかじゃない。」
私が最後の言葉を言う前に黒羽くんから返事が帰ってきた。
「それに、あの炎もマジックなんかじゃない。
俺の一族の者に備わる能力だ。
火を操るブラックドラゴンの一族。
その最後の1人が俺だ。」
「ドラゴン?
一体何を言って……
だって黒羽くん人間でしょ?」
「俺は人間じゃない。
こんな狭い場所でなければ、ブラックドラゴンの姿を見せて信じてもらえればいいんだが、そうはいかないからな。
でも、これなら信じるだろ?」
バサッ!
次の瞬間、黒羽くんの背中からドラゴンの黒い翼が生えてきた。
黒いドラゴンの仮面を被り、翼を生やしたその姿は、まさにブラックドラゴンそのものだった。
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