第1レーン

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「今日も負けた方からのキスな。」 「………………………おう。」 違う中学。会えるのは大会のときだけ。いつから始まったのか、100M走で負けた方が、キスを仕掛けるという賭け。 「ようい………ーーーースタート!」 ーーーパァン!! 鳴り響く音と同時に、飛び出す体。 スタートしたのはほぼ変わらないのに、少しずつ少しずつズレて。 ーーーークソっ、まただ。 その差、足、一歩分。 「ーーーはぁ、はぁっ。」 また、負けた。 「ーーーーこれで、5連勝だな。行くぞ。」 勝ち誇った、ムカつく顔。 「……………ったよ。」 小さく舌打ちして、アイツの後ろを着いていく。 トイレの個室。何故かする側の俺が壁ドンされて。 唇同士が触れるギリギリの所で待ってるから、少し背伸びして、アイツにキスをする。 なあ。 後、何回こうやってキスしたら。 お前は、この微妙な関係をはっきりさせる気なんだ? 教えて、くれよ。
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