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それでも姫香は、このトリオに少しでも自分の音を響かせられるように。
恐れ多いが何とかカルテットになるように。
周りを見て、手先を見て、タイミングを測る。
指示されることを極力少なくするように予測して動き、ベストなタイミングで渡せるようにと心掛け。
少しでも徹平の手を煩わすことのないように、ひたすらサブに徹した。
そしていよいよ。
姫香の運命を従えて、美しすぎる悪魔が審判を下す時がやってこようとしていた。
「で?」
通常6人掛けのテーブルに7人で囲んでも余裕のある大きめのテーブルで遅めの賄いを食べながら和希が徹平に問いかけた。
「で…って?」
「おいおい、渋るなよ。今日が約束の三日目だろーが。」
「そうだったね。」
「どうすんの、徹平?」
「姫ちゃんは残れるんだよね?」
「だよな?俺も助けてもらったしさ。」
口々に決まった答えを催促する輩に溜め息をつきながら、徹平は和希に視線を合わせた。
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