第5章

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「皆さん、先に帰ってください。後は私がやっときますんで。」 閉店後、遅めの食事の後の片付け最中、唐突に姫香が言い出した。 「いや、いいよ。姫香ちゃんも疲れたろ?」 「大丈夫です。龍司さんも義兄さんも待ってる人がいるんだから早く帰らないと。」 俺は対象外なんだけどな。 そんな徹平の心中が聞こえたのか、 「徹平さんだって私の指導とかで手間取らせちゃって最近ハードだし。ゆっくり休んでください。」 そんな事を言い出した。 「気持ちは嬉しいけどさ。待ってる人がいるのはいつもの事なんだから、そんなの理由にはなんねぇよ。」 「そうだな。そんなんで姫香ちゃんに負担かけられないしな。」 「や…でも。」 あぁ。 やると言ったら絶対やりたいんだろうな。 「あのさぁ…」 溜め息混じりに徹平が口を開いた。
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