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「徹平さんって…そんな顔もするんですね。」
いつも姫香に向ける表情の変わらない徹平。
それがほんの少しでも崩れたことに、やっと徹平が自分を受け入れてくれた様な気がした。
「そんな顔って…。」
「青くなったり赤くなったり。初めての徹平さんです。」
「……」
冷静さを取り戻せた徹平の顔の緩みが元に戻るのを見るて『ちぇ』と姫香は唇を窄めるた。
「なに。」
「だって、もう元に戻っちゃった。」
「そりゃいつまでもそんなの晒さない。」
「でも私はもっと見たいです。」
…何言ってんの、この子。
「いろんな徹平さんの表情、見てみたいです。いっつも無表情なんですもん。」
そりゃ、そう簡単に自分を曝け出すような事、今までだってしてこなかった訳だし。
自分を出す事は、いくつになっても躊躇うんだ。
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