第5章

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「絶対おかしい。」 ディナーの用意をしている最中、がちゃがちゃとカトラリーを磨きながら裕人は不服そうに呟いた。 「まだ言ってんの?」 向かいで紙ナプキンを折りながら、雅人は呆れたように溜め息をついた。 どうも最近、裕人の機嫌がすこぶる悪いのだ。 その原因というのも…。 「あの距離がおかしすぎる。」 恨めしそうな視線の先にいるのは、厨房の中で仕込みをしている姫香と徹平の二人。 隣り合って時折姫香が徹平の方に寄り、言葉を交わす。 雅人からすれば、すっかり見慣れた光景となっているが。 「ほら、やっぱり。」 「だからぁ。最近何なわけ?特に気になるトコロなんてなくない?」 「雅人にはわかんないの?あの二人の距離感が変わってるんだよ。」 そう力説されて再度あの二人へと視線を戻してみるけれど…。
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