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「ねぇ裕人。」
「ん?」
「この前、言ってたことだけどさ。あれって本気なの?」
戸惑いながら発した雅人に、裕人は呆れた表情で向き合った。
「当たり前でしょ。こんなリスク満載なこと、いくら俺でも本気じゃなきゃ口に出さないよ。」
「そっか…ならいい。」
再び手を動かし出した雅人を見て、裕人も黙ってフォークを手に取った。
あれはいつだったか。
そう、ちょうど和希と優姫の結婚式の次の日の朝だ。
いつもなら時間ギリギリにしか起きて来ない裕人が、えらく早い時間に起きてきた。
寝起きが悪いのでフラフラしているのはいつもの事。
けれどその日は様子が違った。
眠れていないのか、目の下に薄らとクマを作り、顔を赤らめて雅人に近付いて来たのだ。
そしてポソリと呟いた。
「ヤバいよ…」
と。
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