第5章

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「ねぇ裕人。」 「ん?」 「この前、言ってたことだけどさ。あれって本気なの?」 戸惑いながら発した雅人に、裕人は呆れた表情で向き合った。 「当たり前でしょ。こんなリスク満載なこと、いくら俺でも本気じゃなきゃ口に出さないよ。」 「そっか…ならいい。」 再び手を動かし出した雅人を見て、裕人も黙ってフォークを手に取った。 あれはいつだったか。 そう、ちょうど和希と優姫の結婚式の次の日の朝だ。 いつもなら時間ギリギリにしか起きて来ない裕人が、えらく早い時間に起きてきた。 寝起きが悪いのでフラフラしているのはいつもの事。 けれどその日は様子が違った。 眠れていないのか、目の下に薄らとクマを作り、顔を赤らめて雅人に近付いて来たのだ。 そしてポソリと呟いた。 「ヤバいよ…」 と。
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