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初めての胸の高揚をどうすればいいのか見当もつかなくて。
結局殆ど寝ることが出来ずに朝を迎えた。
キッチンから雅人の気配を感じて、フラフラと部屋を出ると。
「ヤバいよ…」
そう一言呟いた。
ポカンとして『いきなり何?』と返した雅人に、
「ヤバいよ俺…姫ちゃんに惚れちゃった……」
と爆弾を投下したのだった。
聞けば聞くほど雅人にとっては『それだけ?』と聞きたくなるほどのきっかけだった。
けれど明らかに裕人の表情は昨日までとは売って変わっている。
髪型以外は自分と瓜二つの裕人の変化。
そしてそれは、自分でさえも鏡で見たことのない初めての顔だった。
そうか。
俺も恋をしたらこんな顔になんのかな?
裕人の思いの行方なんてわからないけれど、こんな顔見せられたら少し羨ましくなる。
高みの見物させてもらおう。
雅人はニヤリとほくそ笑んだ……。
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