第5章

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「あーそうだ。急なんだけどな。明日のディナー前、取材入る所になってっから。姫香はきっちり化粧しといた方がいいぞ。」 突然振られた和希からの話に、ちょっぴり不貞腐れていた姫香は顔を上げた。 「取材って、真奈美ちゃんのとこ?」 「まぁな。」 「だよね。和希がそれ以外の取材を簡単に了承するわけないし。」 「何でもかんでも出しゃいいってもんでもないしな。厳選だよ。」 和希と雅人の会話を聞きながら、なぜ自分のメイクに触れられたのか。 気にはなりながらも、目の前にある徹平作の賄いは目も眩むほど美味しくて。 ついつい大口開けてモグモグする。 「おい姫香。」 「ふぁいっ!」 「口いっぱいに頬張るのもいいけどな。明日の取材はお前メインだからな。」 「ふぁいっ!?」 まともに返事もできないほどだけど、口にたくさん入れちゃってるだけで驚いてる。
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