第5章

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めちゃくちゃ驚いてる。 そりゃもう、噛み噛みするのを忘れるくらいに。 「とりあえず口動かして。」 徹平の指摘に慌ててカミカミして水で流し込むと、 「何でっ!?」 と詰め寄った。 「んー。まぁ、なんだ、その…。」 和希の返事はどうも歯切れが悪い。 「新しいスタッフの紹介ってとこでしょ。女性シェフが珍しいんじゃない?」 さらりと徹平が答えると、 「そう、そういう事だ。」 と和希が同調する。 「せっかくの取材だし、写真もお前メインになるから化粧くらいしとけ。」 意地悪そうにニヤリと笑う和希の顔を、頬を膨らませてジロリと睨みつけてやった。 「けど姫ちゃんは、このままでも十分過ぎるくらい美人だよ。」 にっこり微笑む裕人に対して、姫香はどう答えていいのかわからず曖昧に微笑むだけにしておいた…。
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