第5章

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「本当に綺麗な肌で驚いちゃったんですよねー。自分では殆ど基礎ケアしかしないって言うから、ついつい夢中になってしまいました。」 はははっと笑うその人は、取材撮影のために真奈美が連れてきたメイクさんだ。 イロイロと塗りたくられて、姫香の顔はテッカテカ。 間抜けな顔を徹平に晒しているのだろうと思うと無性に恥ずかしい。 「すぐメイクしますね。後で美男美女の仕込み風景、写真撮らせてください。きっと読者悩殺ですよー。」 早速メイクに取り掛かりながら軽くお願いしているが、瞬殺されるだろうと姫香は思っていた。 なのに。 「別にいいけど。」 答えは姫香の思っていたのと違っていて。 「はぁっ!?」 思わず徹平の方を振り返ると、 「ストップ!」 両頬を捕まれ、また無理矢理正面を向かされた。 徹平は姫香の反応に含み笑いをすると、背を向けて部屋を出ていった。
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