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「……は?何だって?」
「だから結婚…」
「いやいやいや待て。早いだろ。早すぎるだろ。どっかの芸能人かよ、お前らは。」
「知らないし。」
「俺もお前らのことは気にしてたし、結婚するなとは言わねぇよ?けどさ、昨日の今日だろ。それでいきなり結婚するからって…。いろいろすっ飛ばしすぎだろ。」
「他の人はそうかもしれないけど、俺達はそう思わないからなぁ。」
はぁ…と溜め息をつく和希に反し、何をそんなに驚いているのか理解し難いというように首を傾げる徹平。
2人は和希の部屋にいた。
優姫が仕事に出てすぐ徹平がやって来て大事な話があると言うものだから、てっきり姫香と付き合うことの報告かと思っていたのに。
いきなり『結婚することになったから』と、さも当たり前だとでも言うように伝えられた。
「自分達の中では全然早いなんて思ってないんだよ。寧ろ遅すぎだと思えるくらいだ。こうすることが自然で、それは先でも今でも変わることがない。それなら今だと思えたんだ。」
和希もその気持ちはわからないでもない。
自分は店をやり始めたばかりで一年を費やしたが、本当ならば徹平と同じく今すぐにという気持ちはあったから。
「お前らが軽い気持ちで結婚って結論を出したとは思ってねぇよ。ただ本気を確認したかっただけだ。」
「それは心配無用だよ。」
「そうだな。本当に心配なのは裕人のほうだろうなぁ。」
和希は苦笑いをして昨日の裕人の様子を思い出した。
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