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よいしょ、とわざとらしく正面のカウンターに2人で並んでチラチラ徹平を見ながら毒を吐く。
助ける気にはならないのか?
和希と龍司に目をやると、2人は助ける気などさらさらないようで、黒い笑みを浮かべているだけだった。
サラリと報告するだけしてしまいたいのだけれど、そう思っている間にもマシンガントークは留まることを知らない。
「ほらぁ。ハピネスマンがこっち見てるよ?」
「さっきから物言いたげに見てるよね。」
「裕人に言いたいことでもあるんじゃない?」
「知らないよ。僕は何もないしね。」
「ま、ゲームでもラスボスにはそう簡単にはたどり着けないもんね。」
「戦いを挑んで一度は負けてもらわなきゃ。」
「けどさ、確かあそこにいる人、進めるよりもレベル上げのほうが好きだったよ?」
「あーそうだったね。負けるのは絶対イヤだとかで、尽くレベル上げしてコテンパンに倒すんだよね。」
「いい性格してるよね。」
「ほーんと。怖いくらい用意周到なんだもんね。」
「じゃ、裕人もコテンパンなんじゃない?」
「………やめてよね。」
ふっと裕人の勢いが落ちた瞬間。
「裕人と雅人に報告がある。」
徹平は間一髪で言葉を滑り込ませることができた。
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