episode 1

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よいしょ、とわざとらしく正面のカウンターに2人で並んでチラチラ徹平を見ながら毒を吐く。 助ける気にはならないのか? 和希と龍司に目をやると、2人は助ける気などさらさらないようで、黒い笑みを浮かべているだけだった。 サラリと報告するだけしてしまいたいのだけれど、そう思っている間にもマシンガントークは留まることを知らない。 「ほらぁ。ハピネスマンがこっち見てるよ?」 「さっきから物言いたげに見てるよね。」 「裕人に言いたいことでもあるんじゃない?」 「知らないよ。僕は何もないしね。」 「ま、ゲームでもラスボスにはそう簡単にはたどり着けないもんね。」 「戦いを挑んで一度は負けてもらわなきゃ。」 「けどさ、確かあそこにいる人、進めるよりもレベル上げのほうが好きだったよ?」 「あーそうだったね。負けるのは絶対イヤだとかで、尽くレベル上げしてコテンパンに倒すんだよね。」 「いい性格してるよね。」 「ほーんと。怖いくらい用意周到なんだもんね。」 「じゃ、裕人もコテンパンなんじゃない?」 「………やめてよね。」 ふっと裕人の勢いが落ちた瞬間。 「裕人と雅人に報告がある。」 徹平は間一髪で言葉を滑り込ませることができた。
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