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「けっ……?」
「こん……?」
同じ顔が2つ並んでポカンと口を開けている。
普段はどんなに似ていようが個々の人間として見ているため、大して双子だと意識することなどない。
けれどこうも間の抜けた顔を2つ並べられると、さすがに双子なのだなと再認識させられる。
マジマジと2人を見比べていると、突然ガシッと裕人が徹平の両肩を掴み揺さぶった。
「えっ!?何なの結婚って!どーゆーこと!?普通は付き合ってから結婚なんじゃないの?なのにいきなり結婚ってなに!?」
「いや、それは…」
「はっ!まさか!徹平!付き合う前に姫ちゃんに手だけ出してたわけじゃないよね!?既成事実作っちゃった!?デキちゃった婚!?」
「はぁ!?」
「徹平、いくら何でもそれはないよ。」
捲し立てる裕人に焦る徹平。
そして頭を抱える雅人と、話の飛躍に呆気に取られてしまった和希と龍司。
「男の責任はわかるけど、大事な姫ちゃんにお手つきなんて!僕が手を拱いていた間にこんなことになるなんて思いもしなかったよ!徹平の変態!!」
もう、裕人の妄想を止められるものもなく、挙句に変態呼ばわりされてしまった…。
「信じらんない。徹平のバカ!アホ!鬼畜!淫獣!」
恐ろしい言葉攻めに言葉を失っていたところに。
「おはよーございまぁす。」
徹平の救いの女神が降臨した。
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