5512人が本棚に入れています
本棚に追加
/460ページ
和希は若干キレ気味に姫香を背にし徹平の前に立ちはだかる。
「なんなんだ、その妖しい言い回しかたっ!徹平てめぇわざとだろっ!」
「やっべぇよ。俺ちょードキドキしちまった!」
和希の肩にピトッと龍司が寄り添い、自分の胸をギュッと押さえた。
「なぁにが『両足持って』だ!脚持ったところで広がらねぇんだよっ!」
「ええっ!?」
姫香は真っ赤になって手の甲で頬を押さえた。
手のひらはすでにヌルヌルテカテカで。
そう……。
徹平と姫香が二人ががりで作っていたのはターキースタッフィング。
米や野菜ハーブなど、七面鳥のお腹にたっぷり詰めて焼き上げるというもの。
メニューにはないものだが、今夜の予約のお客様のリクエストで下ごしらえの最中だったのだ。
ぎゅうきゅうとお腹に詰め込み、徹平に確認してもらった後の会話の流れが卑猥だと。
そう義理兄に叫ばれれば、姫香が赤面してしまうのも致し方ない。
「ちょっと考えればわかりそうなものだよね。足広げても意味無いって。」
「皮が伸びて詰めやすくなるかと思ったんですっ!」
「皮伸ばすなら入口と腹伸ばしてね。」
「くっ…!」
「ほら、まだスペースあるから残りを詰めちゃって。」
「……ハイ…」
くっ…悔しいぃっ!
最初のコメントを投稿しよう!