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「別に休みの日に俺がココにいたって、何の不思議もねぇだろ?」
「……」
確かにココにいても不思議ではないのだ。
けれど確実に面白がっている。
それが明確だからこそ気に入らないのだ。
『ココ』…とは『水沢家』のこと。
凄まじいまでの引き止めを何とか回避して、ようやくたどり着いた水沢家の玄関。
ポーカーフェイスの徹平ゆえ誰も姫香すら気付かなかったが、実は口からナニか出そうなほど緊張していたのだ。
インターホンを押して姫香が扉を開き『ただいまー』とかけた声に『おかえりー』と返したのは。
事もあろうに和希であった…というオチだった。
「姫香の実家は優姫の実家。イコール俺の実家にもなるんだからさ。お前はただの『お客様』だけどなぁ。」
何が嬉しいのか、勝ち誇ったような笑みに出てくる言葉は。
「ほんっとバカ。」
これしか出ないだろ。
「お待たせー。」
不愉快に顔を歪ませた瞬間、明るい声と共に女性陣3人がおぼんを抱えて戻ってきた。
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