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八歳の頃からの友達が、「魔界」に行ったという話を聞いた時から、呪術師である赤い髪の娘は嫌な予感を隠せなかった。
天才と言われる従弟程ではないが、強い霊感が娘にはある。呪術という魔道を修める上で、ヒトの業を知識だけでも嫌という程学び、そして感じてきた。
「離して……鶫、ちゃん」
「……え?」
友達が元気であるか、ただそれを確かめるため、魔界という異郷の城に足を踏み入れた。
そこで目にした瑠璃色の髪の友達は、おそらく最も悪い予感に近い姿だった。
「……これ以上、近付かないで……」
「……ラピ?」
初めて出会った頃に近い顔で、昔と似た言葉を口にする。
切なる怒り――哀しみを湛えた顔で娘を見つめる。
――私なんかと……仲良くしない方が、いいよ。
その頃はもっと、トゲトゲと拒絶された気がする。
幼い娘と従兄、街の少年への友達の態度は、それだけ訴えたかったのだと、彼らは無意識にわかっていた。
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