330人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
『姫』
その言葉とは裏腹に侮蔑のこもった声だった
発していたのは、寄付金さえ出せば入学させてくれる女子大あたりによくいる頭の悪そうな女
「香月さん…」
彼女の声色に頓着することなく馴れ馴れしく肩を叩く
彼女を『姫』と呼んだ高校時代の『トモダチ』だという女は、聞いてもいないことをペラペラとよく喋る
彼女が3年間付き合った『彼氏』のこと───
二人がどれだけいつも一緒にいたのか───
よくもまあ、これだけ偏った主観に基づいた話を恥ずかしげもなく披露出来るもんだ
そうやって彼女を貶めることで、自分の方がオレに相応しいと言わんばかりの目線を送ってくる
最初のコメントを投稿しよう!