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「はい、あーんして」
「あーん」
5つ年下のその従妹は母の妹の子だった
姉妹揃って二階堂家に嫁いだ母の妹は体が弱く、その子を我家で面倒みることになったのはオレが小学生になる前のことだった
母恋しさに泣いて手がつけられないその子は、何故かオレの手からだけ食べ物を受け付けた
必然的に彼女の世話係はオレになった
食べることは生きることだ
彼女の生殺与奪権を握っているという陶酔は幼いオレを支配者にした
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