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20年以上前、大叔父の娘である二階堂麗華との婚姻により高遠グループおよび二階堂グループを統合し、今日の繁栄の礎を築いた伝説の男―――それが高遠惣一郎だった
彼が伝説になったのは、その経営手腕だけではない
恵まれた容姿、鋼のような精神力に加えてリーダーに欠かせない先見の明、ここぞというときの決断力、細やかな気配り、どれかひとつとっても彼に敵う者はいなかったという
その資質を遺憾なく発揮し、この巨大なグループを纏めあげた彼は、総裁に就任後わずか1年でこの世を去った
いささかの瑕疵も残さず、彼の亡き後も粛々と業務は遂行された
まるで初めから亡くなることが分かっていたように―――全てが整えられ、そのどれもが完璧であったという
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